ベールが鍵握るウェールズ

欧州選手権は初出場だった2016年大会でベスト4と大躍進し、2021年もベスト16入り。この2大会を経験したベテランと若手が融合し、64年ぶり2度目の出場となるワールドカップでも1次リーグ突破が目標となる。

大黒柱のベールは33歳になり全盛期のスピードや運動量はないが、左足のFK(フリーキック)や空中戦の強さは健在。レアル・マドリード(スペイン)を退団して今夏にロサンゼルスFC(米国)に加入したが、近年は出番が限られ、90分プレーできる体力を取り戻せるかが鍵だ。

31歳のラムジーも負傷がちでコンディションに不安を残す。司令塔が万全でない場合は、クロスやロングボールを196センチの長身FW(フォワード)ムーアに合わせて押し込む戦術が最も効果を発揮する。

機動力のあるジェームズやジョンソンは長い距離をドリブルで運び、カウンターの起点となれる。堅守速攻に頼る戦いが予想されるが、相手陣内でFKを獲得できればベールの多彩なキックやムーアの高さが相手にとって脅威となる。

2022年10月15日紙面配信

W杯壮行試合のポーランド戦で失点し、肩を落とすウェールズのベール(11)=2022年9月25日、カーディフ(AP=共同)