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各分野の特徴と「健康」について
指数の特徴と分野について
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世界経済フォーラムの指数との違い
世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数では「政治」「健康」「教育」「経済」の4分野を分析しています。「健康」は平均寿命などを指標としていますが、医療水準が高い日本では都道府県差が比較的少なく、また男女比で指数化することに限度があります。 このため、都道府県版では健康を外し、住民に身近な地方自治の立案・執行の場である「行政」分野でのジェンダー平等実現を代わりに採用しました。
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政治分野
政治の意思決定に男女が均等に参画することは、ジェンダー平等実現に不可欠です。議会に女性が少なければその声が政策に反映されませんし、政治を志す次世代の女性も増えません。基本的に、有権者が選んだ議員や首長のデータを指標としました。つまり、私たち有権者が1票で変えられる分野です。 全国的に指数は「1=平等」には程遠く、全ての地域で底上げが必要です。国会議員は、衆議院は小選挙区、参議院は選挙区選出を集計し、比例復活は含めていません。
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行政分野
住民に身近な地方自治の立案・執行には、男女が共に参画することが重要です。 女性管理職の登用や男性の育休取得に行政が率先して取り組むことで、民間への波及も期待できます。審議会に女性委員が増えれば、あらゆる政策に多彩な視点が反映されます。審議会委員から政治を志す女性も出てくるでしょう。防災会議はジェンダーの視点が重要であるため、都道府県、市町村とも指標としました。 行政は、知事や市区町村長が本腰を入れれば、スピード感を持って変えられる分野です。
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教育分野
教育は未来を左右する重要な分野です。四年制大学進学率は大半の地域で男子より女子が低い上、「都市部が高く、地方は低い」という地域格差も歴然と存在し、学ぶ機会の平等が不可欠です。 校長や管理職の男女格差は子どもたちに無意識のうちに、ステレオタイプな性別役割の意識を植え付けかねません。学校の管理職に女性がいれば、女児のロールモデルにもなります。教育委員や教委事務局の管理職への女性登用も、性教育やわいせつ教員対策、教員の管理職登用などで重要です。 23年版からは学びの平等を重視するために教育の統計処理方法を変更し、子ども側の指標である四年制大学進学率を50%、教育業界で働く大人の指標を合わせて50%となるよう重み付けしています。
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経済分野
女性が経済力をつけることは人生の選択肢を増やし、家庭内暴力や貧困から抜け出すために重要です。専業主婦や非正規雇用を進んで選ぶこともあると思いますが、働きたい時に男性と同じ機会や処遇が確保されるべきでしょう。 賃金の指標は、男性も低賃金である地方は男女の平等度が高くなる傾向があり、地域格差と男女格差を並行して解決していく必要があります。地域ごとに違う産業構造の違いの影響もあり、注意深く見なければならない分野です。女性に家事・育児の負担が集中していることがジェンダー不平等の背景にあるため、共働き家庭の家事・育児時間の男女比も含めました。 24年版からは「就業率の男女差」を新たに指標に加え、1次産業をより幅広く把握するため、「農協役員の男女比」に漁協を加えて「農協・漁協役員の男女比」としました。「フルタイム以外の仕事に従事する男女間の賃金格差」はサンプル数が少ないことなどから除外しています。
健康分野について
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健康分野
世界経済フォーラムはジェンダー・ギャップ指数の4分野の中に「健康」を含めていますが、医療水準が高い日本では平均寿命などの都道府県差が比較的少なく、また男女比で指数化することに限度があります。 そのため都道府県版では除外しましたが、生理の貧困などの「性と生殖の健康と権利」に関する実態や性差医療へのアクセスなどはとても重要なため、どのように都道府県格差を映し出すことができるか、今後も検討を続けます。
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健康の地域格差の例
以下の国立がん研究センターのサイトでは、乳がんや子宮頸がんの受診率に関する都道府県別データをご覧いただけます。
がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)地域からジェンダー平等研究会の事務局である共同通信から女性の心身の健康に関連し、都道府県格差を掘り下げた原稿も配信しています。
「復讐が怖い」DV被害者の安全が保証されない“保護命令”は機能不全 相談は増加しているのに命令件数は減少、精神的DVはまだ対象外
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