王国ブラジル、覇権奪回へ

5大会ぶり、最多を更新する6度目の優勝を狙う。準々決勝で敗れた2018年大会に続いて指揮するチチ監督の下、チームは成熟。第1回から22大会連続出場となる「王国」は、覇権奪回へと機運が高まっている。

南米予選は無敗の1位。大黒柱のネイマールはトップ下や2トップの一角として自由に動く。左右に張るビニシウスとラフィーニャは突破力抜群で、ネイマールとの相性もいい。センターFW(フォワード)はリシャルリソンのふくらはぎの負傷が気がかりだが、前回大会で主力だったガブリエルジェズスら候補は多い。強力な攻撃陣の技術力は総じて高く、即興性にも富む。

守備ラインにマルキーニョス、中盤にカゼミロと経験豊富な人材がそろう。カゼミロの相棒は運動量の多いフレジか。攻撃的なパケタを使う策もある。アリソンとエデルソンが競うGK(ゴールキーパー)のレベルも極めて高い。

やや人材難なのが、サイドバック。特に、ダニーロが一番手の右は決め手に欠く。39歳のアウベス、センターバックのミリタンも候補になる。

2022年10月24日紙面配信

国際親善試合を終え、健闘をたたえ合うブラジルのネイマール(右端)と日本の吉田麻也=2022年6月6日、国立競技場