【全日本シンクロ最終日】Jingu Ice Messengers、16連覇で世界選手権代表に TEAM BRILLIANCEが2位

優勝したJingu Ice Messengers(撮影:井上将志)

 第31回全日本シンクロナイズドスケーティング選手権最終日は9日、大津市の木下カンセーアイスアリーナでフリーが行われ、Jingu Ice Messengersが合計173.46点で16連覇を果たし、4月の世界選手権(ヘルシンキ)代表に決まった。ショートプログラム(SP)に続いてトップで、117.02点をマークした。TEAM BRILLIANCEが合計100.14点で2位。3大会ぶりに複数チームで争った。

フリーのJingu Ice Messengers(撮影:井上将志)

佐々木キャプテン「本番強いんだって分かりました(笑)」

 Jingu Ice Messengers 佐々木香乃キャプテンの話
 
 ―優勝の感想は。
 「(チーム全体として)試合直前までコンディションが悪かったので、ちゃんとショートもフリーもそろえていい演技で優勝することができてうれしいです」
 ―コンディションが悪かったとは具体的に。
 「けががあったり、ちょっと体調不良だったりした影響で、なかなかノーミスの演技ができていなかったので、ショートもフリーも大きなミスなくできたのが久しぶりで安心しました」
 ―4月の世界選手権に向けて自信になったか。
 「本番強いんだって分かりました(笑)」
 ―今シーズンから男性メンバーが加わった?
 「何となく、彼の性格的にも、入ってくれたらチームが明るくなるかなって思って最初は誘ったんですけど、チームの雰囲気も明るくなったし、演技も見栄えが良くなりました。同じリンクでシングルをやっていて、ジュニアの時に1年くらいシンクロをやっていて、その時も目に入ってくる存在。せっかく背も高いので、もっと彼を生かした技もしたいですし、演技の構成的にも彼を生かした作りとかで滑れたらいいなと思います」
 ―昨季からメンバーの入れ替わりは。
 「去年からいるのは5人くらいしかいなくて、チームの半分くらいは新しいメンバーです」
 ―チームの強みは。
 「昨日先生(関口知代・代表コーチ)がおっしゃってたのは、元々シングルを結構やっていた子がシンクロをやっているので、難しい技に挑戦できると」
 ―シンクロの難しさを感じる瞬間は。
 「私は、周りを見ながらも自分の滑りに集中して、正確にターンしなければいけないのが難しいです」
 ―自身3度目の世界選手権へ。
 「(過去)10位、10位ってきて(今回は)7位になりたいです。10位の壁は高いので、チャレンジです」

フリーで「トップガン」を演じるJingu Ice Messengers(撮影:井上将志)

「見られるの大好き。いつも以上に力出ました」

 子どもも応援に駆けつけたというTEAM BRILLIANCEメンバーのコメントは次の通り。

 ―フリーの演技を振り返って。
 福田真理恵キャプテン「不安なところはたくさんあったんですけど、みんなまとまって、心一つにできたなっていう実感もあったし、心配だったところもちゃんとできたので、大満足ですね。本当に良かったです」
 ―酸素は足りていましたか。
 「(吸入用の酸素スプレーを)直前に用意して、もうなくなっちゃいました(笑)」
 ―新チームで初の大会。
 杉原令奈「みんなのシンクロの経験がまちまちなので、みんなで支え合ってやろうっていうのを決めてやってきて、ここ2日で一緒にいる時間がさらに長くなったので、それがまとまってきて、自分たちで納得できる演技ができたんじゃないかなと思いました」
 ―今後は。
 眞鍋望「全日本のシニア部門に出られたということが、まず私たちにとっては、ありえないくらいすごいことというか、10何年前に(全日本に)出てはいたんですけど、まさかこの年になってこんなことをまたやるなんて思っていなかったので…。次の目標というよりは、ここが最大の目標だったので、もし次があるとすれば、このメンバーでもう一度何かしら試合に出たいなと思っていますが、まずはもう終わったっていう安堵感で、あんまり次のことは考えられないという感じですね(笑)」
 ―演技中は拍手を浴びた。周りを感じながら演技はできたか。
 福田キャプテン「はい。お客さんに見られるのが大好きなので、いつも以上に力が出ました(笑)」
 ―新チームで苦労もあった。
 中村雅子コーチ「(メンバーを)集めていただいたので、新しく入ったメンバーと今日までまとめることを私は重点を置いてきた。チームとして今日が一番仕上がった日かなと思います」

フリーのTEAM BRILLIANCE(撮影:井上将志)
バレエジャンプを披露する福田真理恵キャプテン(撮影:井上将志)

世界ジュニア代表は神宮Ice Messengers Junior

 出場1チームのジュニアで、神宮Ice Messengers Juniorは合計134.41点だった。3月の世界ジュニア選手権(スウェーデン)に出場する。

フリーの神宮Ice Messengers Junior(撮影:井上将志)
フリーの神宮Ice Messengers Junior(撮影:井上将志)

ジャパンOP「オープンエイジ」は豊橋シンクロ Sparkleが優勝

 同時開催の2025ジャパン・シンクロナイズドスケーティング・オープン大会で「オープンエイジ」は豊橋シンクロ Sparkleが44.11点で優勝。茨城シンクロが2位、Pleasures Harmonyが3位で続いた。

優勝した豊橋シンクロ Sparkle(撮影:井上将志)
2位の茨城シンクロ(撮影:井上将志)
3位のPleasures Harmony(撮影:井上将志)

「ジュベナイル」は京都宇治シンクロ ジュベナイルV

 2チームの「ジュベナイル」は京都宇治シンクロ ジュベナイルが制した。

優勝した京都宇治シンクロ ジュベナイル(撮影:井上将志)
井上 将志

この記事を書いた人

井上 将志 (いのうえ・まさし)

2003年共同通信入社。名古屋でプロ野球中日、フィギュアスケート、本社運動部でフィギュア、体操、東京五輪組織委員会を中心に担当。五輪は10年バンクーバーから夏冬計7大会を取材した。ジュネーブ支局時代は欧州を中心に世界各地をカバー。東京都出身。