ジュニア世界女王の島田が勝負強さを発揮した。フリー序盤の大技、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と4回転トーループは不発に終わったが「挑戦者として思い切りいける」と尻上がりの好演技。2年連続3位から成長を示し「自分に打ち勝つことができたのが一番うれしい」と愛らしい笑みを浮かべた。
ジュニアの国際大会は負けなしだが「こういう演技をしないといけない」と追い求める理想が重圧となり、今季はらしくないジャンプのミスが目立つように。殻を破る機会とにらんできたのが、シニアと真剣勝負できる全日本だった。
ルッツ―トーループの2連続3回転など高難度の連続ジャンプを鮮やかに決め、三つのスピンも全て最高難度。技術点は坂本らを圧倒した。安藤美姫(あんどう・みき)以来21年ぶりのジュニア制覇はならなかったが「2位になったので来年は優勝してみたいな」。さらなる飛躍のきっかけはつかんだ。(藤原慎)