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若手の挑戦はねのける 女王坂本、浅田に並ぶV4

全日本選手権 坂本 花織

 終わってみれば、2位島田に約10点差の圧勝だった。坂本は台頭する若手の挑戦をはねのけ、女王の座を守った。「集大成」と位置付ける来季の冬季五輪に向け「チェンジ」をテーマに変化をいとわないシーズン。とどまることのない進化が、浅田真央(あさだ・まお)らに並ぶ4連覇につながり「あくまで通過点。1位を死守できたのは良かった」と安堵(あんど)感に包まれた。

 3・34点差で追う島田が直前に好演技を見せた。ミスが重なれば逆転を許してもおかしくない緊張のフリー。今季から取り入れた3回転サルコーを含む3連続ジャンプを前半で決め、修正に努めてきた3回転ルッツも2度成功。「ほぼ4分間走りっぱなし」と語るほど濃密なミュージカル「シカゴ」の世界をスピード感たっぷりに演じた。

 24歳とベテランの域に入り、体力の衰えを感じている。副鼻腔(びくう)炎の影響で今月のGPファイナルは千葉に次ぐ3位で連覇を逃した。今大会前は胃腸炎に悩まされ「よく1週間でここまで戻した」と振り返る。技術点の1位は島田に譲っても、表現力を示す演技点で圧倒した。

 五輪に4回転ジャンプを操る強豪ロシア選手が参加できる見通しとなったものの「強い選手がいる中で戦えるのは、めちゃくちゃ燃える」。強敵の存在を力に、世界選手権が控えるシーズン後半戦へ「攻めの姿勢でいけたら」と加速する。(三村)