世界女王が日本一の座を譲るわけにはいかない。坂本は日本勢2番手の3位に終わったGPファイナルから短期間で、しっかりと立て直してきた。ジャンプやスケーティングに躍動感が戻り、2位島田に3・34点差と4連覇に前進。「大きなミスなくできて、ほっとしている」とうなずいた。
ファイナルの前は副鼻腔(びくう)炎、後は胃腸炎に悩まされた。筋力を取り戻そうと陸上トレーニングを強化したことが奏功。課題だった3回転フリップで体の使い方のコツをつかみ「自信につながっている」と、この日出来栄えで大きな加点を得た。
ファイナルで悔しさを味わい「強気でいかないとな、と思い返すことができた」と目の色も変わった。フリーへ「自分自身も楽しめるように全力で滑りたい」。納得の結果で、気持ち良く年を越せるか。(三村)