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「年齢はただの数字」 涙と笑いの織田劇場

キス・アンド・クライで男子SPの得点を待ちながら号泣する織田信成(奥)=東和薬品ラクタブドーム

 涙と笑いの織田劇場だった。軽快な「マツケンサンバⅡ」の踊りで場内を盛り上げたかと思えば、得点を待つ「キス・アンド・クライ」ではお決まりの号泣。今度は観客の大笑いを誘った。「氷の上でしっかり楽しむのが僕のスタイル。年齢はただの数字」。男子SPで、主役の座は37歳の大ベテランが奪った。

 実力者にミスが相次ぐ暗いムードを吹き飛ばした。4回転―3回転の連続トーループを鮮やかに成功。衣装の一部が変わる仕掛けに手間取ったものの、それもご愛嬌(あいきょう)だ。自ら考えた、腰を左右に振るユニークな振り付けでも魅了し「やってきた練習(の成果)を出せた」と2013年以来の全日本を満喫した。

 体力は衰え、食生活から見直した。拠点の関西では子どもが学校に行く前にもリンクに向かい、母の憲子コーチも「仕事で東京に行っても滑っている。努力がすごい」とうなる。11年前には幼かった14歳の長男らに父の雄姿を見せ「自分なりのスケートの向き合い方が生きた。子どもたちに、こういうふうに頑張っていたと伝えられた」と表情を緩めた。(三村)