フィギュアスケートの全日本選手権第1日は20日、大阪府の東和薬品ラクタブドームで行われ、男子ショートプログラム(SP)は北京冬季五輪銀メダリストで初優勝を目指す鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)がトップに立った。2位は16歳の中田璃士(TOKIOインカラミ)で、3位には友野一希(第一住建グループ)が続いた。
◇フィギュアスケート 全日本選手権(20日・大阪府東和薬品ラクタブドーム) 男子SP ①鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大) 92.05点 ②中田璃士(TOKIOインカラミ) 90.31点 ③友野一希(第一住建グループ) 89.72点 ④三浦佳生(オリエンタルバイオ・明大) 88.87点 ⑤織田信成(大阪スケートクラブ) 84.53点 ⑥佐藤駿(エームサービス・明大) 81.90点
男子SP ①鍵山優真 92.05点
首位に立ったものの、不本意な内容だった。序盤の4回転サルコーと4回転―3回転の連続トーループを堅実にまとめて順調な滑り出し。しかし、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で踏み切りのタイミングが合わず激しく転倒。回転も足らずダウングレードの判定となり、痛いミスになった。レベルを取りこぼしたスピンがあったほか、演技点も8点台後半から9点台前半止まりと伸び悩んだ印象。
男子SP ②中田璃士 90.31点
全日本ジュニア優勝の16歳が大健闘。冒頭で4回転―3回転の連続トーループを決め、トリプルアクセルは滑らかに着氷した。ジャンプを全て成功させると、フラメンコの激しいリズムを捉えて表現力でもアピール。スピンとステップは全て最高難度のレベル4を獲得した。「ノーミス」の演技で非公認ながら81点台だった自己ベストを大幅に更新した。
男子SP ③友野一希 89.72点
独特で難解なドラムの打音に合わせ、独特の世界を作った。しかし、4回転―3回転の連続トーループ、3回転サルコーと序盤の難所を切り抜けた後のトリプルアクセルに落とし穴。高さはあったものの着氷で大きく乱れ、手をついた。スピンでも3本中2本でレベル4を確保できず、思わず「もったいない」と口をついた。
男子SP ④三浦佳生 88.87点
今季は左脚の故障に苦しんでいるが、4回転サルコーと3回転トーループとの連続ジャンプ、トリプルアクセルを決めて意地を見せた。しかし、後半に組み込んだ4回転トーループで転倒する大きな失敗。スピンとステップは全てレベル4だったものの、出来栄えで減点される場面もあった。100点台の自己ベストに遠く及ばず、演技後は頭を抱えた。
男子SP ⑤織田信成 84.53点
37歳で大舞台に戻ってきた。にぎやかな「マツケンサンバⅡ」に乗せて楽しいプログラム。4回転―3回転の連続トーループ、トリプルアクセルなどジャンプは全て成功。膝を柔らかく使った美しい着氷は健在だった。終盤のステップはレベル2にとどまったものの、会場を大いに盛り上げて納得の演技。得点が出る前から号泣した。
男子SP ⑥佐藤駿 81.90点
GPファイナル3位など今季躍進していたが、初優勝への「切り札」4回転ルッツで痛恨のミス。冒頭に挑んだものの、高さがなく転倒し、3回転と判定される大誤算になった。その後は4回転―3回転の連続トーループ、トリプルアクセルを決めて立て直したものの、6位のショックは大きい。演技後は氷の上に両ひざ、両手をついた。