【単独インタビュー】宇野昌磨さん、色紙の「完」に込めた思いとは 残り1年切った五輪を目指す後輩へのエールも

目標を記した色紙を手にする宇野昌磨さん=3月19日、名古屋市(撮影・植田剛史)

 フィギュアスケートの世界選手権を2連覇し、昨年5月に現役引退を発表した宇野昌磨さんが19日、名古屋市内で行われた自身初プロデュースのアイスショー「Ice Brave」の記者会見後に共同通信のインタビューに応じた。インスピレーションを受けた人物、過去の演目を中心に構成する狙いや来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪を目指す後輩スケーターへのエールなど思いの丈を語ってもらった。(聞き手 藤原慎也)

「サンクスツアーっていうか、感謝を込めて競技のプログラムを結構たくさん詰め込ませて…」

 ―今回、アイスショーをつくるにあたって、インスピレーションを受けたものは。
 「参考にしているもの、これからも取り入れていきたいものはたくさんあるんですが、まずは自分を表現するにあたっての体の動かし方だったり、そういった部分、ダンスとかもですけど、自分を磨くためのインスピレーションを探していることの方が多くて。もうちょっとしたら、そこがもうちょっとできたら追加でショーについても、いろんなショーを見たいなと思っている。ただ、それこそ人数が少なく、今回、7人で1時間半やるってなると結構なボリュームになると思っていて。ソロで滑るのは結構限られた人しか滑らないので、本当に全員がなかなかエネルギッシュでハードなアイスショーになると思っていて。それだけ大変だからこそ、乗り越えたら達成感だったり。すごく僕は(記者会見中のメンバーからの)VTRでも言われてましたけど、割と一生懸命、100パーセント、120パーセントでやる方が逆に楽しいので、それをみんなに強要はしますけど。でも、そうやって一つのショーをつくり上げていけたらいいなって思っています」

北京冬季五輪のエキシビションに出演した宇野昌磨(左)と羽生結弦(右)=2022年2月20日、北京(共同)

 「ただ、やっぱりそのゆづ君(羽生結弦さん)のように1人でショーを成り立たせているっていうのはすごく自分にとっても励みになります。やっぱり僕、今回、7人ですけど、なかなかこの7人でも少人数って言われるぐらい、やっぱり人が必要だと思うんですよね。そうじゃないと体力がなかなか難しいところがあるので、だから、すごく一番近いっていうところであれば、ゆづ君の体力のコントロールというか、どういう構成でしているんだろうとか、あとは、浅田真央さんみたいに、今回、僕のはサンクスツアーっていうか、感謝を込めて競技のプログラムを結構たくさん詰め込ませていただいているんですけど、だから結局、挙げていったら全員の、僕と僕の先輩の人たちがショーをつくり上げていってるので、荒川静香さんにもこれまでたくさんショーに呼んでいただいているので、そういったところから自分なりの正解を導き出してショーをつくっていきたいです」

藤原 慎也

この記事を書いた人

藤原 慎也 (ふじわら・しんや)

全国紙で5年間の勤務を経て、2014年に入社。名古屋でプロ野球中日を取材。2016年末に東京運動部へ異動し、フィギュアスケート、体操、パラスポーツを担当。だんじり祭りで有名な岸和田市育ち。