プリンスアイスワールド東京公演 初日1回目公演後囲み取材

 プリンスアイスワールド東京公演に出演後、取材に応じた本田真凜さん。右は高橋大輔さん、左は島田歌穂さん=19日、DyDoアリーナ

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4人並び立って記者会見 司会から代表質問

 ―まず、藤岡さんと島田さんにご質問させていただきます。プリンスアイスワールドでは今シーズンから初めて生歌唱をショーに取り入れております。デイリーミュージカルスターとしてミュージカル、フィギュアスケートのコラボレーションいうことになりますけれども2人いかがでしたでしょうか。島田さんからよろしくお願いします。
 島田さん「はい。今日ですね、おそらく初めて氷上で出せていただいたと思うんですけれども、もう本当に気持ち良くて、幸せな気持ちで歌わせていただきました。今日歌わせていただきました『On My Own』という曲は、普段は1人で情景を思い浮かべながら歌わせていただくんですが、今日はもう本当に目の前でとても素敵なドラマを繰り広げていただくのを感じながら歌わせていただいたので、とても本当に感動、いっぱいの感動とともに歌わせていただきました。ありがとうございます」
 藤岡さん「そうですね、本当に歌っていて、見とれちゃって、本当に歌うのやめそうになっちゃったんですよ(笑)『何とかかんとかー』と歌っていて『綺麗だな』と思ったら『あ、歌わなきゃ』となったんですよね。本当、それぐらい何て言うんだろう、あの、カルチャーショックを受けました。これ、本当にぜひこれからも長く長く続けていただきたいですし、またそういったこういった、初めてのコラボレーションに参加させていただけたことに、深く深く感謝いたします」
 ―次に高橋さんに質問させていただきます。高橋大輔さん、今回プリンスアイスワールドチームと初共演、初コラボレーションとなりましたけれども、いかがでしたでしょうか。
 高橋さん「そうですね。あのー今回、プリンスの方と、ゲストで出させていただいたんですけども、共演させていただいて、僕自身あの(ロクサーヌのタンゴは)ソロで滑っていたナンバーでしたので、その時は本当にそれこそ情景を描きながら滑っていたりとかで、まあ今回は、前半に入って来た時に女性と絡んだりとか、途中で男性と絡んだりとか、最後こう自分がこうバッて手を出したときに男性がバーって出てきてくれたりとか、本当にすごくあの新鮮でですね。より一層パワーを感じられながら滑ることができたので、同じ楽曲でも全然違うものに感じた今回でしたね。すごく楽しかったです」
 ―最後に本田さんに一つお尋ねさせてください。本田真凜さん今年のプリンスアイスワールドの東京公演がプロ転向後初めてとなりました。振り返ってみて、いかがでしたでしょうか。これまでと違った気持ちですとか、心構えがあったのでしょうか。
 本田さん「今日滑ったプログラムは、試合のプログラムですけど、自分でアイスショー用にアレンジして、もっとお客さんに楽しんでもらえるようなプログラムができたのかなと思うのと、自分の出番の前が(藤岡さんの)生歌で、こう(ステージ)裏で緊張しながら出番を待っている時に、本当に幸せな気持ちで『ありがとうございます』という気持ちと、大ちゃん(高橋大輔)、さんの(報道陣笑う)大ちゃんさんの、あのジャンプを、練習で一緒にさせてもらった時に久しぶりに生で見られて感激しました」
 高橋さん「(照れながら)ありがとうございます(笑)」

記者からの質問

 ―皆さんにお尋ねします。今回はミュージカルとフィギュアスケートの融合というのがテーマになると思うんですけれども、それぞれご自身の中で一番思い出のある、思い入れのあるミュージカルと、どんな思い出があったかみたいなのを教えてください。
 藤岡さん「誰からいきましょうかね。ミュージカルですもんね。こちらからいった方がいいですね。ミュージカルですもんね。そうですよね(笑) まあミュージカル、そうですね、僕も20年近くこのミュージカルの世界にいさせていただいているんで、思い入れはたくさんあるんですけれども、やはりちょっと、島田歌穂さんに言われる前に話しておこうかなと思うので、僕はやっぱり『レ・ミゼラブル』ですね。あの、僕の初舞台でもあったので、初めてミュージカルに出させていただいた作品ということで『レ・ミゼラブル』が思い出深い作品です」
 島田さん「では次にお話をさせていただきます」
 藤岡さん「すみません、レミゼ取っちゃいましたね(笑)」
 島田さん「とんでもない、いや大丈夫です。もう取られても何しても、あの私にとってはやはり『レ・ミゼラブル』が人生を変えてくれた作品ですので。もう中でも、今日歌わせていただいた『On My Own』という曲が人生を変えてくれた1曲なので、今日はですね、もう本当に先ほども申し上げましたが、そのもう私の中でもずっと大切にしてきた1曲が、また全く今回のコラボレーションで新しいものとして、私の中ですごくこう、より広く、何かの世界観を感じさせていただけたのが、本当に今日はもう胸いっぱいで、とても幸せな経験です。ありがとうございます」
 高橋さん「そうですね、はい。僕は『オペラ座の怪人』ですかね、やっぱり。はい。まあシングルでも『オペラ座の怪人』で初めて世界選手権で銀メダルを取らせていただいて、で、アイスダンスで最後の引退の年に使わせていただく曲で、元々大好きだったんですけれども、本当に何度見ても、こう見入ってしまう作品だなと本当にやっぱり感じるので、もう舞台は本当にもう大好きです。はい。もういつかね、スケートでその世界観とかっていうのができれば最高だなっていうふうに思って、なかなか難しいんですけれども、できたらいいなって常々思っております」
 本田さん「はい、私もたくさんミュージカルの曲を使ってきたんですけど、一番お気に入りは『ラ・ラ・ランド』。すごくこう大好きな映画で、自分で初めてこのプログラムを滑ってみたいなって思って使った曲なので、特別な思いがあります」
 ―今回、普段ミュージカルで演じてらっしゃったり、ご覧になっている世界を、スケートっていう、いつもとは違う表現方法で表現していたと思います。それをご覧になってこう「スケートならでは、だな」と思う表現ですとか、パフォーマンスが今日の歌唱に何か影響を与えた部分とかありましたら。
 藤岡さん「そうですね。本当に何と言いますかね。あのー、まず歌を歌って演じるというのが分かりやすくミュージカルっていうものだと思うんですよね。で、普段たぶん我々は、演じながら歌っていたりとか、あるいはコンサートだったら演じてはいないけれども、演じているふうで歌ったりとかやっていますけどね。本当に、何て言うんすかね。今日やっぱやってみてすごく思ったのが、あの『スケートが主役だな』って思ったんです。シンプルに。僕自身がそこに目を奪われてしまったのが、まさにその通りで。だから本当にその、踊ってらっしゃるスケーターの方の表現に寄り添える歌を歌いたいなっていうふうに強く感じましたね。あのー、これ先ほども言ったんすけど、本当に何て言うんだろうな、これ長く続けてほしいなと思っていて、エンターテイメントって何かこう可能性をずっと模索し続けるものだと思っていて、それを今日、目の当たりに僕はしました。すごいシンプルなことで言うと「僕、これ何度でも出たいな」と思って、ぶっちゃけ「ノーギャラでも出させてくれ」って言おうと思っているぐらい(笑)すごく感動しました。そんなんでいいですか。すいません」
 島田さん「はい。まずやはり、生でスケーターの方々の舞を見させていただいて、もう何か本当に、何度も藤岡さんおっしゃっていますけど、もう見とれちゃうんですね。あの私、歌い終わってからもずっと客席で拝見していたんですけども、もう何かもう綺麗ー!美しいー!でも気持ち良さそう! いや、もう苦しみ、いろんな痛みとか、大変さとずっと戦いながら滑ってらっしゃるだろうに、でも何て、こんな優雅で華麗で美しいなと、本当にもうやっぱり素晴らしい世界だなって感じさせていただきました。そのあの、スケーターの皆様がやっぱりミュージカルは1曲1曲に込められているドラマが、それぞれ様々なキャラクターがあって、その物語があって、本当にその1曲1曲を、とても真摯にやっぱり演じて踊っていらっしゃるっていうのが、とても感動いたしました。はい。なので、もうこれからも本当に、さらにさらに、いろんな作品のいろんな素敵なナンバーを見せていっていただけたら嬉しいなあ、なんて密かに願っております」
 ―高橋さん、本田さんにお伺いしたいんですけども。高橋さん、先日村元さんと『anan』の雑誌の表紙を飾ったりとかされましたけども、あのこう撮影される中で感じたことであったりですとか、撮影したことを通じて、こういうことやってみたいなと思ったことがあればお伺いしたいのと。あと本田さんはプロスケーターとして、第一歩をこう歩み出しましたけれども、プロスケーターとしてこういう滑りがしたいなとか、こういうことやってみたいなことがあれば。
 高橋さん「はい。ちょっと難しいっすね。そうですね、あのー、まあ撮影させていただいた時に、本当に当時3年、3シーズン前って言うんですかね。ですけど(村元)哉中ちゃんと一緒に撮影があった時、本当にぎこちなかったんですけど、まあその3シーズンを経て、あの撮影の時、本当に自然にお互いこう何も言わずに、こうスムーズにポーズが取れたりとか、やっぱりこの3年っていろんなことが、たくさんいろんな経験をたくさんしてきたんだなって改めて、あの撮影はすごく感じたのと。えーと、あの写真だったりとか、何て言うんですかね、何て言うんでしたっけ(苦笑)写真撮影、何て言うんすか。スチール、スチール…(苦笑)
 藤岡さん「ちょっと業界人ですよね、皆さんね(笑)」
 高橋さん「スチール撮影の時って、本当に自分の知らない自分が結構見られたりするなって、新しい発見がすごくあったので。まあ、僕自身、本当に静止画の中にいる自分、動画ではよく拝見するんですけど、自分の姿は見るんですけど、スチールのあの世界観の中で見る自分って本当に別人だなって感じることが多いので、何かそういう中でまた新たなどんどん発見をしていきたいなっていうふうには思いました。すいません、これぐらいでごめんなさい」
 本田さん「私は、小さい時にあんまり何も考えずに取材で言ったことがあるんですけど『試合はアイスショーに出たくて頑張っている』っていうのを小さい時からずっと思っているぐらい、こうお客さんの前で伸び伸びと楽しんでもらえるように滑るっていうのがすごく好きで。今、えー、その場所に来たと思うので、もっといろんなジャンルのいろんな演技を、大ちゃんのようにたくさんいろんな表情がスケートで表せるように頑張りたいなと思っています」
 高橋さん「見たいです」
 本田さん「ありがとうございます」
 藤岡さん「質問、いいですか?こっち(報道陣側)行こうか?(笑)お二人に聞きたかったんですよ。あの本田さんね、今回プロ初、プロとしての初めてのステージということで、あのスケートって競技としてのスケートってとてつもない、何て言うんですかね、重圧とか、本当にこのストイックな世界だと思うんですけど、かたや、このショーって本当に楽しんだりとか、お客さんを喜ばせたりとか、そういうところってあるじゃないですか。高橋さん先輩としてというか、そのプロになって競技としてのスケートとの違いとか、何か良かったら、お二人に聞いてみたいなと思って」
 島田さん「私もそれお聞きしたいと思っています(笑)すみません、ここで勝手に回し始めちゃって(笑)」
 藤岡さん「いやあのね、だって競技としてのスケートってのは、本当に皆さんすごい顔しているじゃないすか。もう『うーーーん』て顔で始まって、で、もうつらそうな顔している時もあれば、喜びに満ちている時もあって。でも今日とか見ていると、皆さん本当に笑顔で、表情豊かで、また可憐だったりとか。すごいやっぱりこれがもう本当に芸術なんだなってことが、すごくすごく目の当たりにしたんですよね。それちょっと聞いてみたいなと思って。競技とプロの違い」
 本田さん「私、小さい時に、こういうふうに滑るようになりたいって思ったのが、大ちゃんの、あの白鳥のヒップホップのやつで、それは競技の場なんですけど、本当に見ていてワクワクするような、何度でも見たいって、こうお客さんの立場で見られるっていうか、その採点なんですけど、あんまり失敗、失敗じゃないっていうのにとらわれずに最後まで、こうワクワクするような演技で、そういうのを試合でもアイスショーの場でもできたらいいなっていうのはその演技を見てから、こう目標にはしてきました。ただ、やっぱりジャンプ失敗したりとか、ミスが出てくると、どうしようってなっちゃうのが試合で、アイスショーは、その点で言えば、もっとこうお客さんに楽しんでもらうっていうのが一番なので、うーん、もっと伸び伸び自分はできているかなと思います」
 高橋さん「そうですね。えー、なんか僕、僕はですよ。僕はもう、あの試合は自分の目標だったり、自分がやりたいことをやる場だと思ってやっていたんですけど、アイスショーは僕よりお客さんがどれだけ楽しんでもらえるかっていうところの感覚が違うだけで、まあ求めることはどっちも同じなんですけど、主役がどっちかっていう感覚でやっていました。はい」
 島田さん「私達の舞台は、点数つけられることはないので」
 藤岡さん「そうですね」
 島田さん「良かったとか、本当に、ねえ、そういう何か、こうだからマイナス何点とか、そういうことされることが何か、もう本当点数つけられ、点数と向き合ってらっしゃる方々って」
 藤岡さん「絶対しんどいっすよね」
 島田さん「本当に、だから本当にいつも感動して、もう『すごい』って見させていただいています。そういうことですね。すいません」
 藤岡さん「でも、そんな伸び伸びした場がね、見られるのが、このプリンスアイスワールドでございます(笑)」
 島田さん「まとめましたね(笑)いや、でも本当にすごい場にいさせていただけて…」

井上 将志

この記事を書いた人

井上 将志 (いのうえ・まさし)

2003年共同通信入社。名古屋でプロ野球中日、フィギュアスケート、本社運動部でフィギュア、体操、東京五輪組織委員会を中心に担当。五輪は10年バンクーバーから夏冬計7大会を取材した。ジュネーブ支局時代は欧州を中心に世界各地をカバー。東京都出身。