【世界選手権第2日・ダイジェスト】三浦・木原組が2年ぶり2度目V、鍵山は2位

 世界選手権第2日は27日、米国のボストンで行われ、ペアでショートプログラム(SP)1位の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)はフリー2位となり、小差で逃げ切って2年ぶり2度目の優勝をした。男子SPでは鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は2位でフリーに進出、トップはマリニン(米国)で、佐藤駿(エームサービス・明大)は5位、壷井達也(シスメックス)は24位だった。
 ▽ペア ①三浦璃来、木原龍一(木下グループ) 219.79点(SP76.57=1,フリー143.22=2) ②ハゼ、ボロディン(ドイツ) 219.08点(SP73.59=3,フリー145.49=1) ③コンティ、マチー(イタリア) 210.47点(SP74.61=2,フリー135.86=3)
 ▽男子SP ①マリニン(米国) 110.41点 ②鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大) 107.09点 ③シャイドロフ(カザフスタン) 94.77点 ⑤佐藤駿(エームサービス・明大) 91.26点 (24)壷井達也(シスメックス) 73.00点

▽ペア ①三浦璃来、木原龍一 219.79点(SP76.57=1,フリー143.22=2)

 ミスが重なり、フリーは2位。それでも男女の情愛を熱く演じきり、頂点を引き寄せた。序盤の3連続ジャンプ、見せ場になるはずのループとフリップのスロージャンプ2本で三浦が両足着氷となる「らしくない」ミス。リフトとスピンでは最高難度のレベル4を獲得したものの、技術点ではドイツのペアに3点以上の差を付けられた。それでも、抜群のスピードで滑りながら二人の世界を作り上げる集中力はさすが。力を出し尽くし、木原は演技後立ち上がれないほどだった。演技点では「スケート技術」と「振り付け」で9点台、「プレゼンテーション」も8点台後半でトップ。わずか0.71点差での勝利につなげた。優勝がコールされると三浦は絶叫、木原は三浦の腰を抱き寄せて感慨に浸った。

▽男子SP ②鍵山優真 107.09点

 自己ベストに約1点と迫るシーズンベストで、逆転圏内に付けた。直前にマリニンが演技し、騒然としていたが「サウンドオブサイレンス」の静寂へと引き込んだ。4回転と3回転の連続トーループ、単発は4回転サルコーとジャンプの難度はライバルに劣るものの、いずれも鋭い回転と滑らかな着氷。出来映えで3点以上を獲得した。丁寧にこなしたスピンとステップは最高難度のレベル4。銀盤に吸い付くようなエッジワークと感情移入で、演技点は9点台半ばが並び、トップだった。持てる力を出し切り達成感でいっぱい。飛び跳ねるようにリンクサイドに戻った。

▽男子SP ⑤佐藤駿 91.26点

 最大の武器、4回転ジャンプとして最も難しいルッツを鮮やかに決め、メダルを狙える位置を確保した。冒頭に挑んだ大技は力みのない踏み切りから着氷までスムーズ、出来映えでも2点台後半の高い評価を得た。だが、勢いが続かない。4回転と3回転の連続トーループは1本目の着氷で乱れ手をつき、2本目は2回転となる大きなミスになった。スピンやステップでもレベル2からレベル3にとどまる場面が目立ち、全体的に物足りない印象。演技後は首をかしげた。

▽男子SP (24)壷井達也 73.00点

 緊張の面持ちで演技をスタート。堅さがほぐれないまま4回転サルコーに臨み、2回転にとどまった。SPに必要な要素と認められず「0点」となる大きな失敗。それでも、あきらめないのが今季の強さ。表情が引き締まり、続くトリプルアクセルをクリーンに決めて立て直した。回転数やポジションを着実に整えたスピンなどが生き、ぎりぎりでフリー進出を決めた。

マリニンが今季世界最高でトップ、新鋭も台頭

 2連覇を狙うマリニンが今季世界最高、世界歴代3位の110.41点で首位に立った。単発の4回転フリップ、4回転ルッツと3回転トーループの連続ジャンプを盛り込む高難度の構成をあっさり完遂。オリジナル技の「ラズベリーツイスト」を披露するなど、課題にしていた演技点でも9点台をそろえ、鍵山に迫った。3位につけた20歳の新鋭で四大陸選手権覇者のシャイドロフも4回転ルッツを連続ジャンプに組み込み、雄大に決めた。