「自分の悪いところが気持ち的にも技術的にも全部出てしまった」 鍵山優真 フィンランド大会フリー後

 記者会見を前にポーズをとる鍵山優真(中央)ら=ヘルシンキ(共同)

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ミックスゾーン

 ―今日の演技を振り返って。
 「ちょっと自分の中で気持ちの整理ができていないという部分もあって。技術的なこと自体の反省点っていうのは分かってはいるんですけれども、それまでの6分間(練習が)終わってからの過ごし方だったりとか、今日の過ごし方で何が悪かったのかっていうのが全然、まだ分からなくて。いつも通り過ごしていたつもりだったんですけれども、やっぱりちょっと(4回転)フリップが今までにちょっとあまりないようなミスだったので。それからちょっと気持ちに焦りが出てしまって(4回転)サルコーとかで降りてからすぐ足がついちゃったりとか。ステップアウトをしてしまうようなミスがあったので、そこが反省点ですけれども。ちょっとまだ何とも言えないんです」
 ―全体的にスピードがなかった。慎重になりましたか。
 「そうですね。若干の焦りと慎重さが全面的に出てしまったかなっていうふうに思いますし。う~ん。演技が…そんなに緊張していたわけではなかったんですけれども、ちょっと何か気持ち的な部分で、いつもと違うことを考えてしまったのかなっていうふうに思っています」
 ―体調とかコンディションとか持って行き方を含めて、やることはやったなっていう感じはあるか。
 「そうですね。6分間練習まではしっかりと調整できていたと思うので。それからも自分の演技が始まるまで、しっかりと体を動かしていったので。自信を持ってスタートポジションに立ってはいたんですけれども…。まあちょっと集中し過ぎて、あまり演技のことを覚えていないので、また自分の演技を見直してもう一回反省していきたいなと思います」
 ―思わぬ展開だと思いますけど、これも収穫になるのかどうか。
 「何かもうミスがあり過ぎて、何を収穫したのか全く分からない。もう、もはや、もう本当に自分の駄目なところが全部出てしまったような。技術的にも気持ち的にも出てしまったと思うので、そこがやっぱり今回の駄目なポイントだったと思いますし。でも本当に心折れそうな時に、すごく温かい声援と拍手が聞こえてきたので。やっぱり最後まで自分のパフォーマンスを見せたいっていう思いはすごくありました」
 ―コストナーさんからは演技後に何か言われましたか。
 「疲れていたの?というふうに言われていたんですけど。別に自分としてはあんまり疲れていなかったし、連戦の疲れっていうのもあまりない状態でここまで来られていたので。本当に今日の自分が駄目だったっていうことで、やっぱりしっかりと反省をしていきたいと思います」
 ―安定して300点台を出したいと話していまた。今日はできなかった一方、次につながる結果も得た。今後へ向けて。
 「やっぱり次の試合(GPファイナル)は本当に世界のトップが集まる試合で、レベルの高い試合になってくると思うので。今日みたいな演技をしていては、まだまだ駄目だし、ショートに関してもマリニン選手にはまだ勝てないような点数なので。もっとショートに関してもフリーに関しても一からもっと伸ばせるところを探して。ファイナルまであまり時間がないですけれども、一日一日をしっかりと充実した生活ができるように頑張っていきたいなと思います」

上位3選手による記者会見

 ―2日間を振り返って。
 「先ほど自分の演技が終わって、自分の悪いところが気持ち的にも技術的にも全部出てしまったと思います。優勝はできたものの、納得のいく演技ではなかったので。すごく悔しいという気持ちの方が強いんですけど。今回のMVPは隣のお二方(2位エイモズ=フランス、3位グラッスル=イタリア=)だと思うので素晴らしい演技を祝福したい」
 ―今季の目標は。
 「具体的な目標というか、もちろん、どの試合でも自分のいいパフォーマンス、そしていい結果を求めて頑張っていますし。ゴールかどうか分からないですけど、来年のオリンピックに向けて今シーズンはプレオリンピックシーズンになるので。自分の滑りをいろんな人にアピールするところも含めて頑張りたいと思っているので、それが目標かなと思います」
 「ファイナルで昨年よりもいい結果、パフォーマンスをすることと、全日本選手権や世界選手権でのいいパフォーマンスももちろん狙っているので。本当に今日みたいな演技をしないように頑張りたいです」
 ―日本に帰って最初にやりたいことは。
 「NHK杯から2戦連続だったので、ひとまず休んで、休んでいる間にこの2戦の反省点だったりとか次にやることをしっかりと計画を立てて、とにかくたくさん練習をしてファイナルまで頑張りたいと思います」
 ―大会を終えて、気分的には疲れているか。
 「体の疲れというより、すごく今日の演技に関してすごく悔しくて。まだ気持ちの整理ができていないのもあるので、これから自分の演技を見直して何が悪かったかをしっかり反省したいと思います」

男子フリーのスコアを見つめる鍵山優真(中央)=ヘルシンキ(共同)
吉田 学史

この記事を書いた人

吉田 学史 (よしだ・たかふみ)

2006年共同通信入社。仙台などの支社局で警察や行政を担当し、12年から大阪運動部でスポーツ取材を始めた。2014年12月に本社運動部へ異動して水泳、テニス、フィギュアスケートを担当し、五輪は2016年から夏冬計4大会を取材した。2022年4月からジュネーブ支局で国際オリンピック委員会や五輪の準備状況を追う。東京都出身。