日本にゆかりのあるフィギュアスケート女子の28歳、ガンスフ・マラルエレデン(モンゴル)が、2月に中国のハルビンで行われた冬季アジア大会に出場した。5歳の時に名古屋に移り住んで競技と出合い、現在はモンゴルでの普及活動にも尽力。「二つの国の架け橋になっていきたい」と決意を新たにした。
14年ぶりに出たアジア大会はミスが響いて18位に終わった。それでも、ショートプログラム(SP)では旧友の坂本花織(さかもと・かおり)(シスメックス)と同じ組で演技し「続けていると、いいことがあるんだな」と感慨に浸った。
ウランバートル生まれ。母の仕事の都合で来日し、テレビで見た浅田真央(あさだ・まお)さんらの姿に魅了された。12歳でフィギュアを始め、中学、高校時代は名古屋市内のクラブで練習して中京大へ。今は大学院でジャンプの運動構造を研究している。
2011年にモンゴル代表として冬季アジア大会に出場し、同国勢で初めて世界ジュニア選手権も経験した。18年からは憧れの浅田さんが総合演出したアイスショーにも出演。「エンターテインメントとしてのフィギュアを知り、深みを見ることができた」と話す。
モンゴルには21年に屋内リンクができた。休暇中は母国でスケート教室を開くなど、活動の軸足は普及へと移りつつある。