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「勇気与える選手に」 1型糖尿病抱える15歳堀野

 全国中学校スケート大会の男子SPで演技する堀野伊織=2日、長野市ビッグハット

 フィギュアスケート男子で15歳の堀野伊織(ほりの・いおり)(青森・八戸FSC)は、小学5年の冬に診断された「1型糖尿病」と向き合いながら、トップスケーターへの夢を追いかけている。今月上旬に行われた全国中学校スケート大会では、13位だった昨年から成長を遂げて5位に入り「同じ病気で苦しんでいる方々にも勇気を与えられる選手になりたい」と目を輝かせた。

 青森県八戸市出身。テレビで見た2010年バンクーバー冬季五輪男子銅メダリストの高橋大輔(たかはし・だいすけ)さんの演技に魅了され、3歳で氷上に立った。毎日のようにアイスリンクに通う練習の虫だったが、異常な喉の渇きや足のつりといった症状が出始め、病院を受診した。

 1型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されない病気で、食事前のインスリン注射が欠かせない。どれだけ気をつけても血糖値をコントロールできず、練習中に倒れることもあり「両親のサポートがなければできなかった」と感謝する。

 練習は1日1~2時間と限られているが「本番を意識して集中して取り組んできた」。全身を大きく使った表現力が魅力で、映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の楽曲で滑るフリーでは大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功させ、観客を沸かせた。

 高校に進学する今春以降は4回転ジャンプの習得も目指す。「いろんな演目を滑り、見ている方を楽しませるスケーターになりたい」と思いをはせた。(藤原慎)

 全国中学校スケート大会の男子フリーで演技する堀野伊織=4日、長野市ビッグハット
 全国中学校スケート大会の男子フリーで演技する堀野伊織=4日、長野市ビッグハット
藤原 慎也

この記事を書いた人

藤原 慎也 (ふじわら・しんや)

全国紙で5年間の勤務を経て、2014年に入社。名古屋でプロ野球中日を取材。2016年末に東京運動部へ異動し、フィギュアスケート、体操、パラスポーツを担当。だんじり祭りで有名な岸和田市育ち。