【第1回】花束スケーターは世界への扉 「金の卵」が憧れる名古屋フェスティバル 中村俊介「最も思い入れのあるショー」 人生変えた、ある選手との出会い

「名古屋フィギュアスケートフェスティバル」のフィナーレで観客の声援に応える浅田真央(中央)ら=2012年1月、名古屋市ガイシプラザ

 昨季の全日本ジュニア王者、中村俊介(19)=木下アカデミー=にとって、人生を変えた出会いがある。11年前の2014年4月。地元、名古屋市ガイシプラザで開催された「第11回名古屋フィギュアスケートフェスティバル(名フェス)」で、当時小学3年生だった中村は「花束スケーター」を務めた。

名古屋フィギュアスケートフェスティバルで演技する中村俊介=2025年1月(撮影:安本夏望)

 リンクに投げ込まれた花やプレゼントを拾い集める役割で、スポットライトを浴びることはない。それでも、憧れの選手と同じ時間、空間を共有できる機会に胸は躍った。

場内を一周する(手前から)坂本花織、紀平梨花ら=2019年1月、名古屋市ガイシプラザ

 そんな興奮は、出演者と一緒にリンクを1周するフィナーレで最高潮に達する。手をつないでくれた人こそ、わずか1カ月半前にソチ冬季五輪で金メダルに輝いた羽生結弦だった。

品川 絵里

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品川 絵里 (しながわ・えり)

2018年に入社し、大分支局を経て20年から東京、大阪、名古屋でスポーツを取材。現在はプロ野球中日、フィギュアスケートなどを担当している。中高は創作ダンス部で、趣味は宝塚歌劇やミュージカル、中韓ドラマの鑑賞。