カンヌ国際映画祭出品作「ぼくのお日さま」が描いたフィギュアスケートのリアル 監修した元フィギュアスケーター森望さんが語る「キラキラが詰まったリンク」「アイスダンスという沼」

「撮影現場で自分ができることはスケートの技術の部分。そこを意識しながら監修しました」と話す森望さん=2024年10月、東京都内

世界最高峰と言われる映画祭、フランスのカンヌ国際映画祭で、斬新な作品を集めた「ある視点」部門に正式出品され、各地の映画祭でも高く評価されている映画「ぼくのお日さま」(2024年9月13日から全国公開)。気鋭の映画監督として注目を集めている奥山大史監督がスケートを題材に、思春期の少年と少女の繊細な心の動きを描き出した。
 氷上をメイン舞台とした今回の作品では、奥山監督をはじめ、主演の越山敬達さん、ヒロインを務めた中西希亜良さんもフィギュアスケートの経験者。中西さんはアイスダンスで、全日本フィギュアスケートノービス選手権大会にも出場したこともあるという。さらに物語の中で、スケートシーンの解像度を高めたのは、元フィギュアスケーターの俳優・モデルで、作品のワンシーンにも登場した森望(かなた)さんの存在だった。
 「ぼくのお日さま」のパンフレットの中で、奥山監督は「この映画におけるスケートを巡るリアリティは、自分がスケート経験者であること以上に、森さんの存在が大きいです」と語っている。スケートの経験者から見たこの作品の魅力とは?スケート監修を務めた森さんに話してもらった。(共同通信=前山千尋)

前山 千尋

この記事を書いた人

前山 千尋 (まえやま・ちひろ)

デジタルコンテンツ部記者。2007年入社。青森、京都支局を経て、文化部で美術や建築、教育、ジェンダー問題などを担当してきた。山梨県出身。