「難しそう」から始まった採点競技の面白さ テレビアニメ「メダリスト」の原作者に聞いたフィギュアスケートの魅力

 フィギュアスケートでオリンピックを目指す少女の成長を描く漫画『メダリスト』(講談社)が大ヒットしています。「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第1位などを受賞。今年1月にはテレビアニメもスタートしました。氷の上で繰り広げられる熱い戦いにますます注目が集まっています。
 作者のつるまいかださんにフィギュアスケートの魅力を尋ねると、「芸術的と言われる競技のベースには、ものすごくたくさんの技術がある。わたしが知った感動を共有したい気持ちで描いています」と教えてくれました。
 熱心に取材を重ね、フィギュアスケートの世界を多様な視点で描き出すつるまいかださん。どんな思いで制作しているのでしょうか。話題は、フィギュアスケートの複雑なルールを知る面白さから、フィギュアを教える大人と子どもの関係のあり方まで広がりました。インタビューを【上】【中】【下】に分けてお届けします。

ⓒつるまいかだ/講談社

「メダリスト」は…

 講談社の月刊青年漫画誌「アフタヌーン」で連載中。
 物語は、「氷の上では別人になる」小学5年生の結束(ゆいつか)いのりが主人公。アイスダンスで全日本選手権に出場経験のある青年・明浦路司(あけうらじ・つかさ)と出会い、才能を見いだされるところから始まる。
 中学生でフィギュアスケートを始めた司は、不遇な環境でスケートを続けて挫折。スケートを始めるのは小学生でも遅いと言われる世界だが、そんな「常識」を覆し、2人は共にオリンピックの金メダリストを目指して挑んでいく…。

地元・愛知を舞台に、物語の始まりに選んだのはノービス

つるまいかださんが描いた自画像
前山 千尋

この記事を書いた人

前山 千尋 (まえやま・ちひろ)

デジタルコンテンツ部記者。2007年入社。青森、京都支局を経て、文化部で美術や建築、教育、ジェンダー問題などを担当してきた。山梨県出身。